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導引と意定による気功について

気功とは、中国各地で発展を遂げた中国伝統健康法の総称です。気功の歴史ですが、専門家でも3000年や4000年、5000年などおおよその年をいうのみです。

かなり古くからおこなわれていたことは確かですが、実際に正確な年号を示すことはできません。

ただし、気功という名称を初めて使用したのは、紀元3世紀に書かれた「浄明宗教録」という道教の書物が最初だといわれています。

しかし、この頃の気功と現代の気功の意味合いはかなり違います。

現代での意味合いとして使用される気功は、1934年に養生家の「董浩」により書かれた「肺老病特殊療法 気功療法」という書物が最初のようです。

気功も、さまざまな種類があり、導引や布気、内丹、按摩、吐納、行気など、中国各地でおこなわれていた養生法や武術、修行法などの方法があります。

これらの気功法を分類するとどのようになるのでしょうか。今回は、導引と意定による気功について解説します。

気功の分類

前述したとおり、気功にはさまざまな種類の方法が中国各地でおこなわれていました。下記に、導引と意定による気功について記述しました。

導引による気功

導引とは、呼吸と身体の動きを組み合わせて「氣」のトレーニングをおこない、体内の氣の流れを活発化させる気功法です。

現代では、勉強や仕事などで心身が疲弊して、体内の気の流れが滞ります。このため、導引により体内で滞った氣の流れをスムーズにさせ、人間本来が持つ自然の理にかなった健康な状態に戻します。

導引とは、いわゆる身体を健康にするための体操方法です。昔の中国の人は、人間の身体が自然な状態で居れば、病気にならないと考えました。

その方法を長い間、研究して作られた気功法が導引です。例えば、古来の中国人は、さまざまな動物の動作を真似ることにより、いかに自然に近づくことができるか研究していました。

導引による気功法は、呼吸と身体の動きを組み合わせて体内の氣の流れをスムーズにさせるとともに、宇宙の氣と一体となり天地自然の流れに添う生き方を目指す方法です。

日本には、当時(4世紀末)の百済(くだら)から日本に渡来した王仁(わに)により、三體(体)千字文(さんたいせんじもん)と一緒に導引が伝えられたといわれています。

三體(体)千字文とは、書の手本として使用する漢文の長詩で、子供に漢字を教えたりすることにも使用されました。

三體(体)とは、真・行・草の三書体のことです。真は、楷書(かいしょ)のことです。

導引は、もともと道家の修行法であり、導引により体内の病を追い出して病気にならない身体を作ることから始まります。

簡単に説明すると、自然のあらゆる現象(冷えたり暑くなったり、雨、雪、感想、湿気など)に対して素直に順応する身体を作る方法が導引です。

私たちの身体は、息(大気、氣)を吸って吐き出すことが生きることが生命維持の基本となっています。

この状態が滞ると病気になるので、体内の氣の流れをスムーズにして健康になることが重要です。

1973年に、中国の長沙「馬王推漢墓(まおうたいかんぼ)」で紀元前2世紀の墳墓が発掘されました。

この中には、前漢初期の長沙国の相を努めた初代軑侯(たいこう)の利蒼という政治家とその妻が埋葬されていました。

しかし、その妻の遺体は、今だに生きているような状態で発見され、当時の世間を驚かせました。

その遺体と共に納められていたものが、導引図や五十二病法(医学書)、薬草書などです。これからもわかるとおり、昔の中国の医学的知識は、とても高度なものであることがわかりました。

導引には、「養生法(ようせいほう)」「病気治療法」の2つがあったと考えられます。

養生法は、体内に気を巡らせて、病気にならない健康な状態を作る方法です。

これは、日本の病期後に休むことを意味する養生(ようじょう)と違い、病気になる前から病気にならない身体を作ることを考えて実践していました。

道家の考え方では、身体の状態が良くなることにより、心の状態も安定して健康になると考えます。

身体の状態が悪くなると、心も不安定になるなどの症状が起こります。人間は、天地自然とともに自然に生きることにより、心身共に健康になるという気功法が導引です。

意定による気功

意定は、「意守(いしゅ、意念を集中すること)」を主としておこなわれる気功法です。

意守とは、自分の意識を身体など、何らかのものに留めることをいいます。気功の世界では、「意守丹田(いしゅたんでん)」といって、身体の丹田に意識を留めて、意識を集中させることを指します。

丹田とは、氣を集めて練ることにより、霊薬の内丹を作り出すための体内の場所のことです。気功の世界では、氣が集まる場所とされています。

丹田の丹とは、氣のエネルギーが蓄積されて、赤く輝く状態のことを指します。丹田の田は、その氣エネルギーを溜めておく器のことです。

もちろん、丹田は、西洋医学な解剖学的には存在しません。目に見えない氣の世界で存在します。

丹田は、身体の上から上丹田(眉間の奥)、中丹田(胸の中央)、下丹田(へそ下三寸)の3つあると伝統的にいわれています。

一般的な気功法では、気功をおこなった最後におこなう収功(しゅうこう)として下丹田に気を収める方法をおこないます。

これは、気功の最後に下丹田に氣を溜めることにより、精力が増進して元気になると考えられています。丹田は、インドのチャクラと似ているといえます。

日々の生活で下丹田に意識を置くことにより、さまざまな物事がスムーズに働いていくといわれています。

したがって、意定による気功法では、下丹田に意識を置くことを重要視しています。西洋医学的には、下丹田の場所には、消化器官の腸が存在しています。

腸には、栄養分を吸収するなどのさまざまな役割を担っていますが、人間に重要なホルモン分泌を多くおこなう場所として知られています。

腸は、人間の精神安定を保つ物質である「セロトニン」の90%以上を産生する場所です。

また、「幸福ホルモン」「快楽ホルモン」「運動ホルモン」として有名なドーパミンも、腸で90%以上産生されています。

これからもわかるとおり、下丹田と腸は、とても密接な関係性があり、脳と同じくらい重要な器官といえます。

人は時として緊張したり、力が入らなかったりすることがあります。そのようなときに、下丹田に意識を集中することにより、緊張などの症状が改善するといわれています。

なぜなら、下丹田を意識することにより、腸からドーパミンやセロトニンなどのホルモンが分泌されて集中力がアップするため、不安や緊張などが解消するのです。

不安や緊張がよく起こる人は、下丹田に意識を集中して不安解消に努めましょう。