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ダイエットや花粉症に威力を発揮する「アカモク」とは

テレビや雑誌などで、毎日のようにダイエット特集が組まれていますが、最近にぎわいをみせているダイエットフードがあります。それは、「アカモク」という海草の仲間です。

アカモクは、秋田ではとても馴染み深い食材で、もともとは「ギバサ」という海草のことを指し、地方により名称も違うようです。

しかし、ただの海草がNHKでも取り上げられるほど注目されるのはなぜでしょうか。NHKでは、花粉症にもダイエットにも良いと番組で取り上げています。

今回は、ダイエットや花粉症に威力を発揮するアカモクについて解説します。

アカモクとは

アカモクは、わかめや昆布などの褐藻類の一種で、秋田では「ギバサ」ともいいます。県により呼び名も変わり、山形では銀葉藻(ぎんばそう)、新潟では長藻(ながも)と呼ばれています。

食用として食べる地域もありますが、太平洋側の宮城県では、あまり食べられていませんでした。

なぜなら、宮城ではアカモクが漁船のスクリューに絡まるなどして漁業の邪魔になり、船から除去して捨てたり畑にまいたりしていたそうです。

こうしたことから、三重ではクソタレモク、宮城ではジャマモクなどと呼ばれています。

アカモクは、日本各地の沿岸部に広く分布しています。アカモクは、海草なのでカロリーは少なく、100gでわずか19キロカロリーです。

もともと海草には「フコイダン」といって、免疫力がアップするネバネバ成分が豊富に含まれています。

また、アカモクに含まれる食物繊維は水溶性で、コラーゲン分解酵素の活性を抑制する作用があります。

アカモクには、ミネラルやポリフェノール、ビタミン類も豊富に含まれています。

アカモクとわかめを比べると、鉄は5.2倍、カリウムは1.6倍、カルシウムは1.2倍になり、身体に重要なミネラル分を多く摂取することができます。

アカモクの効能

アカモクには、キャベツの約3倍もの、豊富な水溶性食物繊維が含まれています。

アカモクに含まれる食物繊維は、腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を整えてくれるためダイエットに最適な食材といえます。

また、ダイエットだけでなく、便秘の改善効果に期待が持てます。アカモクには、食事で取りすぎた余分な脂質や、糖質の吸収を抑える作用があります。

よって、血糖値の上昇を防いだり、悪玉コレステロールを減らしたりする作用も報告されています。

この他、アレルギー改善作用や健胃作用、免疫力アップ、肝機能アップなどの効果も認められています。また、骨粗しょう症の予防に効果的なビタミンKも豊富に含まれています。

フコキサンチンとアポトーシス

アカモクの効能で注目すべきは、「フコキサンチン」という抗酸化物質が多く含まれている点です。

フコキサンチンは、体内の活性酸素を退治する抗酸化作用や脂肪を燃焼させる補助作用があります。

フコキサンチンは、非プロビタミンA類のカロテノイドの一つで、分子式では「C42H5806」と表記されます。

フコキサンチンは、褐藻などに存在する色素成分です。フコキサンチンは、光合成の補助色素として機能し、1990年代から大学や研究機関などで研究が進められてきました。

これらの研究では、「アポトーシス(apoptosis)」という細胞死と関連付けて研究や実験がおこなわれました。

アポトーシスとは、簡単に説明すると自殺細胞のスイッチを押す細胞プログラムです。

1996年には、アメリカのJFKメディカルセンターのデーリック・デシルバ博士の研究により、フコイダンによりガン細胞が自滅するアポトーシスが起こると報告されています。

日本でも、2007年に、東海大学医学部の研究で、大腸ガンマウスに「もずく由来のフコイダン」の飲水を5%混ぜて飲ませたところ、マウスのガン細胞にアポトーシスが起きたとの報告があります。

細胞には、あらかじめ細胞が自然死するためのプログラムが書き込まれていて、一定期間が過ぎるとDNAが断片化して自発的に細胞死します。

細胞内の染色体が、放射線などにより損傷を受けると、染色体は自ら修復にかかります。しかし、修復不可能と判断すると、アポトーシスが起こります。

細胞死には、通常の遺伝子プログラム通りに死ぬアポトーシスと、何らかの外的要因により細胞死が起こる「ネクローシス(Necrosis)」があります。

アポトーシスは、DNAが破壊されて細胞が縮小したり、異常が発生した細胞で起きたりします。命を奪うガン細胞は、アポトーシスによる仕組みが働かずに、無限にガン細胞が増殖を繰り返します。

これに対して、ネクローシス(細胞の事故死)は、紫外線や酸、高温などによる刺激で起こります。

ネクローシスが起こると、細胞核に変化は少ないものの、ミトコンドリアが崩壊します。

そして、徐々に風船が破裂するように細胞が膨らんで破裂して、細胞内の物質をまき散らします。

これにより、患部や全身に炎症を引き起こします。近年の研究では、遺伝子操作でアポトーシスを抑えると、ネクローシスが起こることが報告されています。

アポトーシスやネクローシスで起こる細胞死は、一瞬(壊死)で起こります。

細胞死が起きたあとの細胞は、免疫細胞が10分ほどで食べ尽くして細胞死の痕跡を残さないため、細胞死を調べることが難しいといわれています。

細胞死などの影響は、前述したとおり、細胞内の物質をまき散らすことで炎症を起こすことです。

また、ガン細胞は放射線などで細胞死を起こしても、細胞内の細胞増殖をうながす物質が分泌され、残ったガン細胞が増えるなどの問題点が挙げられます。

フコキサンチンは、「カスパーゼ3」というアポトーシスに関連するタンパク分解酵素やDNA断片化に深く関係していることが報告されています。

フコイダンとフコキサンチン

海草類に多く含まれるフコイダンの研究は、1970年代から大学や研究機関などで始まりました。

当時は、フコイダンは「Lフコースが硫酸基で連なった多糖体」という部分に焦点をあてて研究されていました。

フコイダンの研究で、もっとも機能性を重視され、注目されていたのはアポトーシスとの関連性です。

しかし、試験管や動物実験などによる研究が進むにつれ、フコイダンに含まれるフコキサンチンが強いアポトーシスのアシストをしていることが判明したのです。

フコキサンチンは、フコイダンに約1%しか含まれない希少物質です。海草に含まれるフコイダンのLフコースや硫酸基は水溶性ですが、フコキサンチン自体は脂溶性です。

アカモクのダイエット作用

内臓脂肪には、「白色脂肪細胞」「褐色脂肪細胞」の2つの脂肪細胞で構成されています。白色脂肪細胞は、体内で消費できないエネルギーを、脂肪として体内に貯め込む作用を担います。

白色脂肪細胞が増えることにより、いわゆる「メタボ体型」になります。

これに対し、褐色脂肪細胞は、運動するなどの身体を動かさない状態でも、体温を一定に保つなどのために脂肪を燃焼させる作用があります。

つまり、内臓脂肪を減らすには、褐色脂肪細胞を活性化することがポイントになります。

アカモクに含まれるフコキサンチンは、褐色脂肪細胞と似たような作用で、白色脂肪細胞を燃焼させる作用が日本栄養食料学会の試験結果で報告されています。

この実験では、40才以上の男性協力者に対して、1日1mgのフコキサンチンを摂取させたところ、内臓脂肪が減少しました。

アメリカの研究機関でも同様に、白人女性の協力者60人に1日2.4mgのフコキサンチンを摂取させたところ、体重や体脂肪、肝臓、血中脂肪などが減少したという報告があります。

アカモクには、フコキサンチンが含まれるフコイダンが、わかめや昆布よりも豊富に含まれています。

フコキサンチンだけでなく、フコイダンにもダイエット作用があります。

これは、脂質や糖質が腸内で吸収されないように体外へ排出する作用があるからです。糖質が過剰に血中に増えすぎると、中性脂肪に変わり、さまざまな病気を引き起こします。

腸内には、悪玉菌が生息していますが、悪玉菌は有害物質を多く保持しています。

この有害物質は、腸壁から血液に入り身体全体に運ばれると、身体の動きを悪くするため太りやすい体質になってしまいます。フコイダンは、この有害物質を水分と一緒に体外に排出する作用があります。

こうしたことから、フコイダン摂取により身体がスムーズに動けるようになり、太りにくい体質に変わることに期待が持てます。

また、フコイダンは善玉菌のエサにもなるため、善玉菌を増やして腸内環境を改善し、便秘解消の効果にも期待が持てます。

アカモクの花粉症効果

花粉症は、スギやヒノキなどから放たれる花粉が抗原(こうげん)となって起こる「アレルギー反応」による疾患です。

身体は、花粉などのアレルゲン物質を異物とみなして、体外に排出しようとします。これにより、身体が過敏に反応しすぎて、くしゃみや鼻水、眼の痒みなどのつらい日々を送ることになります。

アカモクには、フコイダンが多く含まれています。フコイダンには、腸の免疫細胞を刺激して、花粉症を抑える物質が体内で増えるために花粉症効果が得られるといわれています。

また、フコイダンには、免疫機能を正常化させる作用もあるといわれています。花粉症への効果を実感するには、アカモクの乾燥タイプのものでも300mgと、ほんのわずかの量で得られるといいます。

フコイダンには、口臭や体臭予防効果もあります。海草類を毎日100g以上摂取することにより、口臭や体臭がひどい人でも約1週間で標準値まで下がるなどの報告もあります。

このように、アカモクにはフコキサンチンやフコイダンが豊富に含まれ、ダイエットや花粉症などさまざまな効果が報告されています。

食事に気を付けるなど、少しだけでも海草類を食事に取り入れて、フコキサンチンやフコイダンを摂取して健康的な生活を送りましょう。