受付時間
9:00~12:00
15:00~20:00

激痛を伴う四十肩・五十肩の原因と改善法

肩の痛みで、もっとも知られる疾患は、「四十肩・五十肩」です。日本では、江戸時代の文献に記されるほど、古くからある疾患です。

この名称は、40代や50代で肩の痛みが発症するために、俗称としていわれる名前です。確かに、40代や50代に多い肩の疾患で、多くの人は痛みを放っておき、痛みが悪化して来院されます。

四十肩・五十肩になると、腕を上げたり回したりすると激痛が走ります。状態が悪くなると、肩を動かさない状態でも激痛が起こり、寝ている状態でも痛みが伴い普通に寝ることも厳しくなります。

今回は、激痛を伴う四十肩・五十肩について解説します。

四十肩・五十肩とは

四十肩・五十肩という名称は、一般的に使われていますが、正式的な医学的名称は「肩関節周囲炎(けんかんせつしゅういえん)」といいます。

他には、「凍結肩(とうけつかた)」「癒着性関節包炎(ゆちゃくせいかんせつほうえん)」などということもあります。

さらに、肩関節周囲炎の原因は、現代医学では不明とされています。四十肩と五十肩の区別はなく、どちらも同じ疾患です。

肩関節周囲炎になると、朝から仕事に行く準備で服を着たり、髪の毛を整えたりするだけで強い痛みを感じるようになります。

肩関節周囲炎は、なんの前触れもなく、突然肩に強い痛みが生じます。この状態は、肩関節周囲炎の「急性期」にあたります。

急性期は、疼痛が主体で、1ヶ月から9ヶ月の間痛みが続くといわれています。急性期を過ぎると「拘縮期」に入り、肩関節の可動域が著しく制限される期間に入ります。

拘縮期は、約4ヶ月から半年間続くといわれています。その後、疼痛や可動域が広がり回復がみられる「回復期」に向かいます。回復期は、約6ヶ月から2年といわれています。

肩関節周囲炎の急性期では、肩を少しでも動かすことにより、肩関節の周囲に激痛が走ります。ひどくなってくると、腕全体や手の指まで痛みや痺れが数週間から数ヶ月続くことがあります。

そんなにひどくない状態であれば、半年から1年半くらいで、自然に痛みが軽減するといわれています。

しかし、肩関節の周囲の筋肉や靱帯が拘縮して硬くなり、肩関節の可動範囲が狭くなっている状態で痛みだけが引くようです。

痛みが治まったからといって、可動範囲が治るわけではありません。痛みが引くとともに、肩関節の可動範囲も元の状態に戻ることが、本当の意味で治ったと状態といえるでしょう。

肩関節周囲炎は、前述したように、40代から50代の方に多くみられる疾患ですが、30代や60代でも起こる疾患です。

四十肩・五十肩の原因

肩に激痛が走るのにも関わらず、四十肩・五十肩の原因は不明とされ、整形外科的な診断がつかないのが現状です。

一般的な四十肩・五十肩の原因の解釈では、加齢に伴う肩関節の筋肉や組織が硬くなったり縮んだりして、肩部の炎症や痛みを引き起こすといわれています。

他にも、普段の生活習慣やストレス、ホルモンのバランスが崩れることなども原因として挙げられます。

四十肩・五十肩は、発症する人の共通点があるようです。

例えば、学生時代に野球やテニス、ゴルフ、卓球、バレーボール、その他の球技やスポーツなどで肩を酷使して、肩を痛めたことがある人が発症しやすいようです。

また、普段の姿勢が悪く猫背の人などは、四十肩・五十肩になりやすいといわれています。

生活習慣では、睡眠不足や偏った食事、仕事や友人、家族関係でストレスを抱えている人も、四十肩・五十肩になりやすいといわれています。

しかし、本当に加齢を伴うことにより、四十肩・五十肩になるといえるのでしょうか。40代や50代は、働き盛りの年代で、元気な方も多くいます。

すべてではないにしても、この年代の人に老化現象が起こるとはいいきれません。

肩関節の構造はとても複雑で、さまざまな角度に肩関節を動かせるようになっています。肩関節は、肩甲骨と上腕骨、鎖骨で構成され、その周りに複雑に筋肉や腱、靱帯などが付着しています。

その肩関節をスムーズに動かすために「滑液包(かつえきほう)」という液体が入った袋状のものにより肩関節が包まれています。

肩関節は、このような複雑な関節を要しているため、年を重ねて働き盛りの40代や50代の人にみられるのでしょう。

肩関節周囲炎と肩こりの違いは、肩関節周囲炎は「関節の炎症」で激痛が起こり、肩こりは「筋肉の疲労」によりこりが生じます。

肩関節周囲炎の痛みは、幾つかの原因が挙げられます。

例えば、上腕の筋肉(上腕二頭筋)の先端にある腱が炎症したり、上腕骨頭を取り巻く腱版(けんばん)の損傷や断裂、部分断裂により痛みが生じたりします。

他には、腱版と腱関節の間に位置する「肩峰下滑液包(けんほうかかつえきほう)」の炎症が起きたり、石灰が沈着したりして痛みが起こる場合もあります。

四十肩・五十肩で可動域が狭くなる理由

四十肩・五十肩になって痛みが取れたのに、可動範囲は広がらない状態が続いている方も多くいます。

しかし、なぜ四十肩・五十肩になると、肩関節の可動域が制限されてしまうのでしょうか。

これは、肩部の痛みにより、長い期間肩をかばって動かさないでいるためです。どの関節もそうですが、長い期間関節を動かさないでおくと、「関節拘縮(かんせつこうしゅく)」が起こります。

関節拘縮とは、関節包の癒着が起きている状態です。この状態になると、インナーマッスルなどを動かす筋肉も衰えてしまうため、筋肉を普通に動かすことが難しくなります。

その結果、肩関節の可動域が制限されてしまうのです。四十肩・五十肩になった場合には、痛みが取れるまで待つのではなく、すぐに適切な治療をおこなうことが望ましいといえます。

肩の痛みがなくなることが「治ること」ではなく、痛みが消えるとともに、肩関節の可動域が元の状態に戻ることが本当の完治といえます。

四十肩・五十肩の一般的治療

四十肩・五十肩の一般的治療法は、急性期には肩関節周囲炎の診断が出たあと、医師が「消炎鎮痛剤」「非ステロイド静抗炎症薬(NSAIDs)」などを処方したり、「ステロイド剤」「ヒアルロン酸」などを関節や滑液包へ注入したりします。

他には、湿布薬や座薬、内服薬、外用薬などを医師が処方します。急性期の終盤では、激痛は少しおさまるが、動かすと強い痛みが生じることが多いようです。

そのため、肩関節の拘縮が急速に進みます。一度、肩関節の関節拘縮が進むと、その状態を元通りにするのは難しくなります。

拘縮期には、肩関節の可動域を広げる治療法として、運動療法や温熱療法などもおこなわれます。

回復期も同様に、肩関節の可動域を広げるための可動域訓練や、筋力トレーニングなどをおこないます。

ただし、無理な運動療法や筋力トレーニングなどは痛みを伴うため、逆に四十肩・五十肩が再発したり可動域がさらに制限されたりする恐れがあります。

そのため、運動療法をおこなうには注意が必要です。病院などでは、リハビリで「アイロン体操(ゴッドマンエクササイズ)」もおこなわれます。

この体操は、1kg程度のおもりを持って、腕を大きく動かしたりする体操です。前後や左右、時計回り、反時計回りに20回を1セットおこないます。

肩関節に痛みがあるのに、無理矢理肩を大きく動かせば、痛みが増したり拘縮度が増えたりするのは目に見えています。

四十肩・五十肩の治療

四十肩・五十肩の治療で大切なことは、筋肉を緩めて血液の流れをよくすることです。人間の脳は、痛みを感じると条件反射により、患部を防衛するために患部周囲の筋肉を緊張させます。

脳からの命令は神経を通して筋肉に伝えられます。このため、脳に対して命令を解くように、あんしんできる情報を脳に送る必要があります。

しかし、強いマッサージや運動などは、逆に身体や脳を緊張させて患部の筋肉を緊張させてしまいます。そのため、マッサージなどを受けた患者さんが「揉み返し」があったといわれるのです。

他には、リハビリなどで運動療法がおこなわれても、可動域が広がらないのは理由があります。例えば、肩甲骨の動きが伴わない運動療法では、可動域が広がらないことがあります。

肩甲骨や上腕骨は、肩関節と連動して動くため、肩甲骨の可動域を広げる運動をおこなわない限り、可動域を広げることはできません。

さらに、強いマッサージやリハビリは、肩甲骨の周囲の筋肉を緊張させるため、有効とはいえません。

優しく心地良い施術を、患部に対しておこなう必要があります。関節の可動域を広げるには、「伸縮性」をつけることが重要です。

通常、運動療法などでおこなわれるリハビリは、肩関節に対して筋力や筋肉を付けさせるような筋肉を縮ませる方法がとられています。

しかし、関節拘縮が起きている場合では、逆に筋肉を伸ばして可動域を広げることが重要です。優しく心地の良い施術は、肩関節に伸縮性をもたらすため、肩関節に有効と考えられます。

四十肩・五十肩の治療に大切なことは、肩甲骨などの動きを自然なアプローチにより改善したり、肩部に付着した筋肉の伸縮性を正常化させたりすることです。

さらに、残っている肩関節の痛みの緩和と、脳に対して肩関節が正常に動くことを理解させることが重要です。

また、肩関節は、筋肉が緊張して炎症を起こしているため、安静にしたり入浴などでリラックスしたりすることが効果的です。

お風呂に入るときには、シャワーだけでなく、しっかり肩関節が温まるように湯船に肩まで浸かりましょう。

お風呂に入っている状態で、可動範囲内で肩関節を稼働させることは効果的です。重要なことは、あくまで痛みが伴わない可動範囲内で肩関節を動かすことです。

脳は、痛みのない状態を理解すると、関節の緊張を解く作用があります。

四十肩・五十肩にならないための予防法は、普段の生活などで肩の可動域を広げるための体操やストレッチなどをおこなうことです。ただし、あくまで関節の可動域の範囲内でおこなうことが重要です。

関節は、動かさないと拘縮する作用があります。適度に関節を動かすことにより、肩関節の柔軟性が保たれ、四十肩・五十肩を防止することができます。

あんしん療法では、施術後のアドバイスもおこないます。それは、良くなったにも関わらず、練習後にまた痛みが戻ることがあるためです。

脳は、身体を守る働きを担っています。そのため、今までおこなってきた姿勢や動き方を再度おこなうことがあります。よって、姿勢や動作、練習方法、休息、栄養など、効果的なアドバイスをおこないます。

もちろん、どのような疾患でも、治る過程に違いがでてきますが、重度の疾患でも脳や身体に対して適切な働きかけをおこなうことにより、健康改善する可能性は十分にあります。

なるべく本人の早い改善を目指し、早期復帰できるようにアプローチさせていただきます。

人の身体は、生きている限り必ず改善します。自分の身体や心を信じて、生活するようにしましょう。

また、あんしん療法の施術による改善例を紹介しますので、参考としてください。