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整体とは(過去から現代の各整体の流れや施術方法)

整体とは、どのような施術をおこなうのでしょうか。一般的には整体と聞くと、「ボキボキやぐいぐいする」ようなイメージがあると思います。

一言で整体といっても、整体やカイロプラクティック、マッサージ、按摩、指圧、オステオパシー、スポンディロセラピーなどさまざまな流派や施術方法があります。

そして確かに、身体に対して無理矢理強制力を用いておこなうような整体院も数多く存在します。

「あんしん堂」にも、ボキボキぐいぐいされて身体が痛くなったといわれて来院される患者さんがたくさんいます。

身体(脳)はこうした施術方法を嫌い、身体は強制力と感じるために患部を緊張させて守りに入ります。

その状態でボキボキぐいぐいされるので、いわゆる「揉み返し」のような症状が身体に生じます。

あんしん堂でおこなわれている「あんしん療法」は脳科学に基づいた療法で、優しい施術をおこない脳に身体の緊張を解くような信号を送ります。

すると脳はあんしんして患部の緊張を解くためさまざまな症状が変化するのです。今回は整体について、過去から現代の整体の流れや各流派や施術方法について詳しく解説します。

整体とは

整体(せいたい)とは、主に手(足を使う整体もある)を用いる手技療法を主体とした民間療法や代替医療のことを指します。

整体という日本語は、大正時代に用いられるようになったといわれています。整体は、「整体術」「整体法」「整体療法」などともいわれています。

整体とは一体、どのような施術方法があるのでしょうか。一言で整体といっても、「こうしなければならない」というような決まった条件などはありません。

諸説有りますが、整体は東洋医学でおこなわれているツボ(経絡、けいらく)を刺激する療法や、武道で鍛錬後におこなわれていたマッサージや矯正などの方法から派生したもの全体を整体と呼んでいるようです。

他にも、アメリカで誕生したオステオパシーやカイロプラクティック、スポンディロセラピーなどと日本で古くからおこなわれていた手技療法を組み合わせて「指圧」と呼ばれたことが始まりだという説もあります。

中国語での「整体」という意味は、全体観(ホームリズム)という概念を意味し、全体や総体という意味で使用されています。

そのため、日本でなじんでいる身体の骨格やバランスを整える施術院という意味合いとは違います。

中国医学(中医学)では、整体という名称は基本概念のひとつであり、人間の身体を一つの統一性ある有機体と見なしています。

また、中国医学では、整体は万物を相互に関連付けて中国で発達した医学と結びつけるような考え方を意味しています。

こうした考え方は、インド伝統医学のアーユルベーダやギリシャやアラビア医学のユナニ医学にも同じような概念がみられます。

日本で使用されている「整体」という用語は、アメリカのカイロプラクティックに似た矯正方法で、身体を改善させるための手技療法のことを指して用いられることが多いようです。

つまり、背骨や骨盤、肩甲骨、四肢(足や手)など身体全体の骨格や関節の歪みやバランス、ズレなどを、手足を使った療法で矯正したり調整したりする方法です。

一部の流派では、手足を使った療法以外にも、電気治療や何らかの器具(補助道具)を併用して整体をおこなうところもあります。

ただし、整体方法がたくさんあるため、統一された整体の体系があるわけではありません。

徒手的治療法により、身体に起こったさまざまな症状を改善することを目的とした治療法のことを「マニュピレーション」と総称していいます。

マニュピレーションの代表格が、19世紀にアメリカで生まれたカイロプラクティックやオステオパシーです。

カイロプラクティックとオステオパシーの考え方は、手技療法を中心としておこない、身体の自然治癒力を活かすことがお互いの療法の共通点です。

しかし、2つの療法の身体に対するアプローチ法や治療哲学はまったく異なるようです。

ただしカイロプラクティックやオステオパシーなどの療法は、それまで日本でおこなわれていた整体術や指圧などの日本独自の手技療法にとても大きな影響を与えることになります。

日本での整体のはじまり

有名な整体流派では、戦後に野口晴哉氏がおこなっていた野口整体が有名であり、野口氏により整体という名前が知られるようになりました。

野口氏は、野口整体の基幹である「操法」や愉気(ゆき)といわれる触手療法など、独自の整体術を広めていきました。

愉気とは、野口整体において手のひらから気を集めて注ぐことにより、人間が持っている自然治癒力を呼び起こして、体内のさまざまな働きを高めて「元気を呼び覚ます方法」とされています。

これらの療法以外にも、行気法や活元運動、整体体操、体癖論、潜在意識教育なども、野口整体の整体術として取り入れていったようです。

野口氏の施術時間は3分ほどで、とてもシンプルに整体術をおこなっていたといわれています。

当時にカイロプラクティックをおこなっていた先生方は、この頃カイロプラクティックの知名度がないために、一定の知名度が得られるまでカイロプラクティックのことを整体と呼んでいたといわれています。

京都府立医科大学の教授である今西二郎先生が「医療従事者のための補完・代替医療 改訂2版」を執筆されています。

この中で、鍼灸師の津田昌樹先生が整体について「整体という日本語は、大正時代にアメリカで誕生した手技療法・オステオパシーを「整体」と訳したのが始まりのようである」と述べています。

2001年に発売されている「プログレッシブ和英中辞典(第3版)」では、整体ではなく「整体術」の英訳について「chiropractic(カイロプラクティック)」「osteopathy(オステオパシー)」として記述されています。

 大正時代に、アメリカからカイロプラクティックやオステオパシー、脊髄反射療法のスポンディロセラピーなどの療法が日本へ導入されました。

これらを学んだ当時の人たちは、さらに中国やヨーロッパなどの手技療法などを取り入れて独自にアレンジし、それらの療法を称して整体や整体術と呼んだのが始まりだといわれています。

日本で整体という名前を広めた人の中に山田信一氏がいます。山田氏は、最初にオステオパシーを日本に紹介した人でした。

山田氏はオステオパシーのほかにも、プラーナ療法や精神療法なども一般に紹介しており、オステオパシーを別名として「整体術」「山田式整体術」として世間に広めていきました。

整体の特徴や違い

整体の手技手法にはこれといった決まりがなく、整体院によってかなり違いがあるようです。

整体の得意分野は、西洋医学などでおこなわれる検査で異常がないのに身体の痛みや張り、しびれ、不定愁訴(ふていしゅうそ)などの改善をはかることが得意とされています。

整体のおおまかな特徴や違いについて、下記に記述します。

 

・関節の骨をボキボキ鳴らす手法をおこなう

・患部の筋肉をぐいぐい揉む

・筋肉をほぐすことを中心におこなう

・骨格を矯正することを中心におこなう

・オイルを使用してマッサージをおこなう

・エステのような癒し系の方法をおこなう

・ヒーリングをおこなう

・気功をおこなう

・カイロプラクティックをおこなう

・電気治療をおこなう

・温熱療法をおこなう

・ローラー器具などを使用する

・鍼灸で施術をおこなう

・さまざまな補助用具を使用する

 

このように、一言で整体といっても、手法もやり方もかなり違います。施術を受ける患者さんも、自分に合う合わないの違いや施術者の技術も違い、身体に対する効果が変わってきます。

整体院をチェーン店化している店舗では、何日か簡単な研修を受けて直ぐにマッサージなどの施術をおこなわせるところもあります。

整体のさまざまな流派の源流

ただ単に「整体」といってもさまざまな流派や手法があり、定まった手法や理論があるわけではありません。

整体術をおこなう先生方によっても理解度やその療法の解釈などはまったく異なります。

前述したとおり、大正時代に日本に伝わったアメリカのカイロプラクティックやオステオパシーなどの療法をおこなう整体や、中国医学(中医学)でおこなわれている手技療法「推拿(すいな)」などをおこなう整体、古来日本独自の武術である柔術や骨法、活法などの流派で伝わってきた手技療法(救急蘇生術)をおこなう整体など、手技療法も理論もさまざまです。

前述した活法に、ヨーロッパなどの外科や蘭学の解剖学などの知識を取り入れたものが「整骨」「骨接ぎ」です。

整体のくくりの中には、中国から日本に伝わって日本で独自に発展を遂げた鍼灸もあります。日本独自の鍼灸と中国の鍼灸は、かなり違いがあるという専門家もいます。

日本には、鍼灸とともに日本固有の発展を遂げた按摩(あんま)などのマッサージ法もあります。また、中国から日本に伝わった漢方による医学を取り入れる整体院もあるようです。

これらのさまざまな整体流派以外にも、民間に伝わるさまざまな治療法の技術や呼吸法、合気術、お産の知恵などを取り入れている整体もあります。

これらの療法に、現代の西洋医学(近代医学)のベースとなる解剖学や生理学、病理学、核治療家の思想などが混ざり合って、各自のさまざまな整体があります。

ただし、整体というひとつの流派もなく、定まった整体施術法や理論はありません。

これらたくさんある流派の整体療法はあくまで民間療法であり、西洋医学が主流となった現代ではこれらの民間療法のことを「補完代替医療の一種」とされています。

これらの民間療法には、保険が一切ききません。そのため、病院での補助療法として病院内でおこなわれることはありません。整体は、法制度からは医療類似行為の一種とされています。

言葉的に「整体」とは違いますが、「療術」という名前が明治末頃から市井でおこなわれていた民間療法により広まりました。

療術の手法は、カイロプラクティックやオステオパシー、指圧、電気治療、光線療法などのさまざまな療法を取り入れておこなわれていました。

整体や療術などの医業類似行為は法的規制がなく、施術者の技術水準や施術方法もばらばらであり、技術レベルの低い施術者が無理矢理おこなう施術により健康を悪化させることが問題となっています。

ただし、施術者の技術レベルが高い施術は、本当に患者さんの諸症状を改善させることが多くあります。

したがって、法的整備が進んで一定の水準や施術方法に効果がみられれば、日本独自の整体ライセンスを授与するなどの方向へ向かうべきだと考えられます。

医業類似行為をおこなうことに対して、最高裁判所は1960年(昭和35年)1月27日に無免許での医業類似行為を禁止することは合憲とする判決を出しました。

ただし、禁止処罰するには、人の健康に害を及ぼすおそれの認定が必要であることを判示しています。

つまり、「人の健康に害を及ぼすおそれがない以上、法律に違反しない」という解釈がされており、整体による施術をおこなうことが可能である事実上の根拠とされているのです。

過去の整体(霊術や療術)の歴史と区分け

日本で明治維新が起こると、海外からさまざまな情報や文化などが流入してきました。

その中には、催眠術やメスメリズムなどもあり、これらの方法は日本の修験道や呪術などとの融合がおこなわれて「霊術」が生まれました。

そのため、明治政府は修験道や呪術、占術、祈祷などを廃止しようとして禁止令を出しました。

明治30年頃から霊術などの活動を始めた霊術家の数は、昭和5年頃には推定3万人ほどいたといわれています。

霊術は、現代で新しく生まれる宗教のルーツの一つであるという専門家もいます。

明治東洋医学院で鍼灸医術を習得して、日本式伝統鍼灸術を指導した井村宏次氏は、1972年に生体エネルギー研究所を設立しています。

井村氏は研究所の首謀者として、超医術や超心理学の研究や実践をおこなっていました。井村氏は主に、「気」と「サイ」の実験的研究を30年もおこなっていました。

また、井村氏は霊術家がおこなう治療術を、全体の割合のパーセンテージを表しています。その割合には、祈祷や手当などの信仰療法や心霊療法、手技療法などが挙げられます。

下記に、井村氏がパーセンテージにわけた治療術について記述します。

 

・霊術 38%(気合術や霊動術、精神統一法、危険術、祈祷、交霊など)

・療術 21%(手当て療法やプラーナ療法、カイロ整体などの手技、紅療法など)

・精神療法 23%(催眠術(暗示)や精神療法など)

・心霊系霊術 7%(心霊治療や超能力治療など)

・その他の療法 2%(精神道徳運動を背景とした健康法や断食、体操など)

 

この頃活動していた日本の霊術家は、近代における西洋医学での医療として足りない部分を補完する面があり、大正時代には当局から黙認されていました。

例えば、精神疾患を患う患者さんの当時の治療はこの頃の西洋医学では限られており、民間療法として活躍する霊術家の霊術や精神療法の役割は大きかったといわれています。

この頃は霊術が世間で大ブームでしたが、悪徳な詐欺師のような霊術家も多く、警察は霊術への警戒を強めていきました。

霊術業界は大衆から多くの支持を得ていたため、政府に霊術の公認や制度化の陳情を繰り返していましたが、警察の医師法違反事件としての追及が厳しくなり、霊術は徐々に駆逐されていきました。

昭和5年には警視庁令として、霊術や療術をおこなうには届け出が必要とされました。

このため、それまで霊術家として活動していた人は、療術師や宗教の教祖、健康法指導者などに看板を置き換えて活動していったといわれています。

戦後には、GHQに霊術が禁止されたため、現在では霊術や療術という名称はほとんど聞かれなくなりました。

霊術や療術から整体へ

前述したとおり、大正時代から昭和初期にアメリカからカイロプラクティックやオステオパシーなどの手技療法が日本へ導入されました。

これらの手技療法は従来からおこなわれてきた日本式や中国式の手技療法や民間療法に大きな影響を与えることになり、大きく発展していきました。

大正時代には、「整体」の名前を世に広めた山田信一氏により、オステオパシーが日本で紹介されました。

当時整体操法委員会に参加していた山田氏は、自身の著書である「山田式整體術講習録」(山田式整体術講習録、1921年)の1巻で「プラナ療法(プラーナ療法)」について記述しています。

同講習録の2巻では「オステオパシーの原理」を、同3巻では「精神療法」について説明されています。

山田氏は、オステオパシーと他の療術を合わせて編み出した手法を「整体術」として紹介しました。

そのためオステオパシーはその名称が世に広がるわけではなく、「整体術」「山田式整体術」として広がり発展していきました。

オステオパシーと同様に、アメリカから導入されたカイロプラクティックは、オステオパシーより少し遅れて日本に導入されました。

同時期には、「スポンディロセラピー」という脊椎に働きかける手技療法も日本に導入されました。

そのうちカイロプラクティックとオステオパシーが、「整体」「整体術」として訳されるようになりました。

また、カイロプラクティックやオステオパシーの手法にさまざまな日本の民間療法の手技が加わり、日本で独自に発展していきました。

この頃の整体術をおこなう治療家は、自分の治療方法をオリジナルの治療法として独自の名前を付けることもありました。

よって、整体の技術が何をベースにどのような影響を受け、どういった経緯で今現在に至るのかは定かではありません。

大正時代から昭和初期には、さまざまな独自の手技療法があったといわれています。例えば、「正體術」(正体術)や「正胎」「整胎術」 と呼ばれる療法も存在していたようです。

初期のさまざまな整体術の特徴

整体という名称は、大正時代から使用されるようになったといわれています。

この頃には、さまざまな整体術があり、「整體醫典(せいたいいでん、整体医典)」という書を著した平賀臨(ひらがりん)氏の著書名にも、整体の文字が使用されています。

整体術をおこなっていた諸先生の中には、指圧の祖といわれる明治末から大正、昭和にかけて活躍した玉井天碧(たまいてんぺき)氏がいます。

指圧は、中国古来よりおこなわれていた按摩(あんま)の一部である「按腹(あんぷく)」の流れを汲む手技療法です。

玉井氏以外で指圧で有名な整体師は、元日本指圧協会会長の浪越徳次郎(なみこしとくじろう、1905年11月3日- 2000年9月25日)氏がいます。

浪越氏は、「指圧の心は母心、押せば命の泉湧く」の名台詞で有名になった指圧の先生です。

身体の歪みを整える健康体操を作られたのが、大正時代の高橋迪雄(たかはしみちお)氏です。

高橋氏が作られた健康体操のことを「正体術(せいたいじゅつ)」「正體術矯正法(せいたいじゅつきょうせいほう、正体術矯正法)」といいます。

野口整体で有名な野口氏は正体術の「正」を「整」に変えて「整体」としました。野口氏はさらに「重心論」「体癖論」を正体術から進化させてまとめました。

正体法を元に「操体法」を作ったのが医師である橋本敬三(1897年 - 1993年)氏です。

手技療法研究家の平田内蔵吉(ひらたくらきち、1901年 - 1945年)氏は、「平田式心理療法(熱針術)」として、アルコールを容器に入れて燃やして身体にハンダゴテのような道具(熱針術)を当てていく温熱療法を開発しました。

平田氏は、ヘンリー・ヘッド氏が提唱したヘッド帯を発展させて、中医学の経絡や経血の比較検討をおこない「平田式体表十二反応帯」(平田氏帯)を提唱しています。

「肥田式強健術」で有名な肥田春充(ひだはるみち、1883年12月25日 - 1956年8月24日)氏は、強健術(心身鍛錬法)や天真療法(自己療法)、宇宙倫理を合わせた「肥田式強健術」を広められました。

平田氏は肥田氏と出会い肥田式強健術を学び、新たな経絡式中心操練法を考案して、肥田氏とともにこの操練法を「国民体育」として世間に発表しています。

戦後には、前述した野口晴哉氏がおこなっていた野口整体が広がり、整体という名前が世間で知られるようになりました。

また、この頃前、述した医師の橋本氏の操体法も広がりをみせています。

野口氏が「整体」という名称を広めた影響はとても大きいようですが、野口整体の脊椎操法はアメリカのカイロプラクティックやオステオパシーなどの影響を大きく受けているという専門家もいます。

この頃野口氏は、全国の療法家と一緒に、それぞれの経験と理論を生かして統一された新しい「整体操法」を作ろうとしていました。

さまざまな流派の療法家が一同に集まって作ろうとした整体操法ですが、野口氏はそれをさらに発展させて、自らの療法を作り上げました。

前述したとおり、野口氏が作った整体操法はアメリカのカイロプラクティックやオステオパシーの影響を大きく受け、脊椎の観察や操法といわれる手技療法を重視して施術がおこなわれます。

ただし、身体へのアプローチ方法はカイロプラクティックやオステオパシーとはかなり異なる方法だといわれています。

カイロプラクティックやオステオパシーは、脊椎のズレ(転位)を矯正することに重点を置いているといいます。

しかし、整体操法はすぐに脊椎のズレを矯正するようなことはおこなわずに、自然に脊椎のズレなどが戻るように身体の使い方や普段の生活を修正して、自然治癒力で治るお手伝いを整体師がおこなうことを重視しています。

これらのことからもわかるとおり、「整体」は統一された理論や手法がありません。「整体」という名称を使用していない療法も数多くあります。

前述したとおり、大正時代~昭和時代までに起こったさまざまな「整体」の経緯から、アメリカから導入されたオステオパシーやカイロプラクティックなどの物理的手法や科学的手法と、中国医学からなる経絡の理論、西洋医学の臨床で使用される内臓体壁反射などの理論が混合して、それぞれの流派の整体があります。

整体の施術は、「操法」「整体療術」とも呼ばれています。ある専門家は、整体による施術は身体の末梢を対象とせず、体幹中枢を対象とする手技手法だといいます。

もちろん流派により施術方法はさまざまですが、主に脊椎や骨盤、肩甲骨、四肢、顎関節などの身体全体の関節の歪みやズレなどを、手足を使った施術により矯正して、骨格筋のバランスを調整することで身体の改善を図ります。

中には、整体の施術方法以外にも補助道具として道具や器具などを使用する整体院もあるようです。

また、一部の整体の流派では、中医学のように体幹から四肢への脈絡の流れを良くして、身体の改善を期待する施術方法をおこなうところもあるようです。

ただし整体師の施術は、国家資格である柔道整復やあん摩、マッサージ、指圧などがおこなう施術と異なる施術方法をおこないます。

戦前の整体の動き

過去や現在の整体を調べてみても、整体といわれる療法にはさまざまな流派があります。

また、過去に詐欺まがいの霊術や療術なども横行したことから、明治44年(1911年)に昔の内務省(現厚生労働省)が日本の伝統的手技療法や按摩術などを免許制にしました。

さらに、大正9年(1920年)には、マッサージをおこなう業者の大きな取り締まりをおこないました。

こうしたことを受けて、昭和18年(1943年)に野口整体の野口晴哉氏を中心に全国の療法家が集まり、東京治療師会内に手技療法の法制化を目的とした「整体操法制委員会」が設立されました。

この委員会では、さまざまな流派の理論や経験を活かして統一された「整体操法」を作ろうとしていたのです。

野口氏の著書である「整体操法読本 巻一」では、参加者は委員長として野口氏が就任し、他の13名の委員と3~4名の臨時委員で構成されていたようです。

13名の委員には、オステオパシーの山田信一氏や小川平五郎氏、カイロプラクティックの松本茂氏や伊藤緑光氏、山上恵也氏、脊髄反射療法の梶間良太郎氏、スポンディロセラピーの佐々木光堂氏、血液循環療法の松野恵造氏、健体術の林芳樹氏、指圧末梢療法の宮廻清二氏、手足根本療法の柴田和通氏、アソカ療法の野中豪作氏、紅療法の山下祐利氏、圧迫療法の美濟津貴也氏、腹部操法療術家の永松卯造氏などで構成されています。他に臨時委員が3~4名いたそうです。

整体操法制委員は、当時のさまざまな療法の治療家が集まり、それぞれの整体流派で活躍されていた諸先生方が集まりました。

整体操法は、脊椎の観察を主眼として構成されています。整体操法でおこなわれる手法は、各身体のパーツの専門家の手法が取り入れられています。

整体操法入門を著作した浜田貫太郎氏は、整体操法は理論と手技が乖離(かいり)しているといいます。

ただ乖離しているのは、さまざまな流派の療法を折衷(せっちゅう)しているためだといいます。

野口氏が中心となって作られた「整体操法」は、手技療法の標準型として制定されました。

その後は、当時の大日本療術師会でも承認し整体操法が採用されて、全国的な手技療法の標準型になる予定でした。

しかし、整体操法は第二次世界大戦の影響もあり、法制化や統一化の試みが消えてしまいました。

戦後の整体の流れと野口氏の活動

戦後に整体操法の全国的な標準型を進めていた野口氏は、昭和22年(1947年)に「整体操法協会」を設立して、整体操法の指導者育成に取り組んでいきました。

戦前に作られた整体操法制定委員会の主要メンバーだったさまざまな流派の整体師は、戦後でもしばらくは協会に参加したといわれています。

その後約10年の月日が経ち、野口氏は彼らとの治療に対する見解の相違からこのメンバーと離れていきました。

そして、それぞれの流派の整体師たちもそれぞれの道に戻ったといわれています。

本来目指していた道を再び歩むことになった野口整体の野口氏は、病気を治すことよりも人間本来の力を引き出して健康に導く自らの活動を 「体育」 と位置付けました。

さらに野口氏は、治療を捨てることを決意したといわれています。

前述したとおり、野口氏のさまざまな活動により、「整体」という名称が世間に広く広まった(野口整体など)のはいうまでもないでしょう。

野口氏は、さらに山口県で戦争から戻った復員兵の職業訓練として整体操法の講義をおこなっていたことから、さらに整体(整体操法)の名が世間に知られることになりました。

それぞれの流派に戻った以前の整体操法制定委員会の主要メンバーは、委員を離れていったあとでも、整体操法を受け継いでおこなっていたといわれています。

整体操法は哲学者の津田逸夫氏により、ヨーロッパでも紹介されています。野口氏は、さまざまな「整体」の功績を残して昭和51年(1976年)に死去しました。

その他の戦後の整体名称使用

野口整体の野口氏以外にも、整体という名称を使用したり広められたりした整体師は多くいます。

例えば、「自力整体」の矢上裕氏もその一人です。矢上裕氏は、不調を感じる人が自らおこなう健康法ということで「自力整体」という名称を使用しているようです。

他にも、個人の療法や技術に「整体」と名の付くサロンや治療院もみられます。例えば、「ヨガ整体」「整体マッサージ」「カイロ整体」「経絡整体」などです。

他には、「中国整体」「タイ式整体」「インド式整体」など、国名に「整体」の文字を付け加えている施術院もあります。

今では、中医学でおこなわれる「推拿(すいな)」のことを「中国整体」と呼ばれているようですが、中国でいう整体の意味合いはまったく違います。

中国で「整体」は「整体観」のことであり、推拿=整体ではありません。

美容やエステティックサロンなどをおこなう施術院にも、「小顔整体」「美容整体」などの触れ込みでアピールする施術院もあります。

これらの治療院や施術院は、過去に「整体」としておこなわれていた整体術とはほとんど関係なく、「整体」の名称にあやかったりただ単に身体を整えたりするという意味合いで「整体」という名称を使用しているようです。

近年における整体の学校や資格

近年では、さまざまな流派で「整体」を学べる学校や教室が全国に乱立しています。これらの学校では、民間療法の資格を発行しています。

それぞれの流派に理論や療法、思想などがあります。中には、中国の団体や大学などと提携して資格を発行している「教育ビジネス化」しているところもあるようです。

したがって、たくさんある流派の整体を、ひとつの「整体」として統一することは困難だといわれています。

現在、施術院や整体師という名称を名乗ることに規制はありません。そのため、誰でも「整体師」として開業することが可能です。

今日では、全国各地に数多くの整体学校がありますが、技術レベルや理論などに大きな差があるようです。

整体師養成学校は、日本の教育法に沿ったものではなく、整体学校に通っていても法的に学生の身分にはなりません。

整体師養成学校の修学期間も学校によりさまざまで、整体学校の中には2年~3年の期間学ぶところや、わずか数日で終わってしまう学校もあるようです。

整体師養成学校の中には、そのままグループ整体院に従業員として労働させるところもあり、真剣に整体を学ぶ人には整体学校選びに注意が必要です。

また、整体師養成学校は公的機関ではないため、公的な資格は得られません。

整体の低水準な施術と健康被害

厚生労働省の厚生労働科学研究費補助金による報告書では、カイロプラクティックやオステオパシー、整体、エステなどの施術院による施術者の技術レベルや施術方法は、整体師によりまったくバラバラであるといいます。

器具などを使用して無理な施術方法をおこなう整体は問題外ですが、器具を使用しない手技や足技による低水準な施術の医業類似行為は問題視されているようです。

国民生活センターには、これらの医業類似行為による健康被害が、2007年度~2012年度だけで825件の相談が寄せられています。

消費者庁が発表した2017年5月の資料では、法的制度がない健康被害は1483件になります。

そのため、前述した低水準の施術院やサロンなどによる医業類似行為について、一定以上の安全性を担保するガイドラインを作成する要望が上がっています。

近年では、こうした問題はチェーン展開する整体院などに多くみられます。

こうしたチェーン展開する整体院の中には、安易に数時間~数日程度の研修を実施しただけで、そのままアルバイトに従事するところもあるようです。

施術者本人が施術を受ける人の身体の状態がわからないのに、腰や背中を無理矢理指圧するだけのマッサージ行為をおこなう悪質な業者も多くみられるため、施術を受けるには注意が必要です。

官公庁による整体などの見解

整体にはさまざまな流派があり、それぞれに理論や手技、思想があるため統一的に扱うのは困難だといわれています。

そのため整体について公の機関が見解を出すことは少ないのですが、カイロプラクティックなどに対する官公庁の見解は、整体への見解として参考になることがあります。

例えば、厚生労働省が出す見解のひとつに、カイロプラクティック療法が対象とすることが適当ではないといわれる疾患があります。

この疾患の中には、腫瘍性のものや出血性のもの、リウマチ、心疾患、筋萎縮性疾患、感染性疾患などがあります。

これらの疾患以外にも、徒手調整による手技により疾患の症状が悪化する頻度の高い疾患として、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、変形性脊椎症、側湾症、脊椎すべり症、後縦靱帯骨化症、二分脊椎症、環軸椎亜脱臼などがカイロプラクティック療法の対象とすることは適当ではないとしています。

また、カイロプラクティック療法にはさまざまな手法があり、中でも頸椎に対する急激な回転伸展操作をおこなう「スラスト法」は、頸椎に損傷を与える危険性がとても高いため、これらの危険度の高い手法は禁止する必要があると見解を出しています。

ただし、これらのカイロプラクティック療法に対する厚生労働省の見解が、現在おこなわれているさまざまな流派の整体に当てはまるかは不明です。

全てではありませんが、現在では整体の臨床研究はあまりおこなわれていないようです。そのため、さまざまな整体の施術には医学的根拠がありません。

よく聞く整体の表現に、「骨盤の歪みを直す・正す」などがあります。この表現は西洋医学の診断における重症度の高い骨盤の歪みとは違うようです。

また、カイロプラクティックのサブラクセーションやオステオパシーのリージョンと、西洋医学の亜脱臼や不全脱臼のサブラクセーションではまったく認識や見解が違います。

もちろん、他の流派の整体や療法でも同じことがいえます。

整体の法律上の見解(最高裁判決)や問題点

整体などの医業類似行為は、最高裁判所が昭和35年1月27日(1960年)に出した大法廷判決で、「無免許での医業類似行為を禁止することは合憲である旨」との判断がされました。

さらに法廷では、整体などの「医業類似行為を禁止処罰するには人の健康に害を及ぼすおそれの認定が必要」なことを判示しました。

つまり、さまざまな整体などの医業類似行為は、「人の健康に害を及ぼすおそれがない以上法律に違反しない」ことになります。

そのため、この最高裁判決が、さまざまな整体は業(仕事)として施術をおこなえることの根拠になっているのです。

近年では、チェーン展開する整体院などに多くみられる安易に数時間~数日程度の研修で整体の技術や理論が未熟なまま、アルバイトの人が腰や背中を指圧するだけのマッサージ行為をおこなっている悪質な業者も多くみられます。

このような技術レベルが低かったり理論を会得していなかったりする整体師が、ただ単に身体を揉んだりして患者さんの身体を痛めるという声が国民生活センターに挙がっています。

中には、施術前に「整体院を訴えません」などの念書にサインさせる整体院もあるようです。

こうしたことから、あん摩マッサージ指圧師やはり師、きゅう師や医療従事者などから懸念の声が挙がっているのも事実です。

ただし、逆に国家資格を保持した治療院などに通い、痛みやしびれがひどくなったなどの報告も聞きます。

医業類似行為をおこなって良い者は、「あはき法」と呼ばれるあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律 (あはき法) の第1条と第12条に定められています。

それ以外の療術業は、昭和23年4月1日までに開業届を提出したものだけと旧「あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法」第十九条に記述があります。

ただし前述したとおり、最高裁判所が出した判決が絶対ですので、さまざまな整体などの医業類似行為は、「人の健康に害を及ぼすおそれがない以上法律に違反しない」ことになります。

もちろん、悪質な整体ビジネスの整体師による患者さんの身体を痛めるようなボキボキしたりぐいぐいしたりするような「揉み返し」のような症状が起こる施術は許されことではありません。

このことは、国家資格として認められた医療類似行為をおこなう施術院も同様にいえることです。

整体師が医業類似行為をおこない、前述したような身体が悪化するような結果をもたらした場合には、刑法の定める業務上過失傷害罪などに問われる場合もあります。

ただしこうした身体を壊すような施術行為は、国家資格を有する施術者も同様だといえます。

整体師は医師ではないため、医師法第18錠に定める「医師」の名称は禁じられています。

他にも整体師は、「病院」「療養所」「診療所」「診察所」「医院」、その他病院又は診療所などの名称を付けることは法(医療法第3条)で禁じられています。

また、整体師は医師ではないため、「ガンです」「椎間板ヘルニアです」などと病名を判断することはできません。

さらに医療機関でおこなわれるレントゲン撮影や外科的手術、注射、麻酔、はり(鍼)、灸、血圧測定なども医療関連法により禁止されています。

他にも投薬や服用の指示や、医薬品の調合や交付、一般用医薬品の販売もできません。ただし、医薬品医療機器等法上の薬ではない冷却シートなどは販売できます。

整体師は、国家資格を有するあん摩マッサージ指圧師、やはり師、きゅう師及び柔道整復師などがおこなうあん摩や指圧、マッサージ、鍼灸医術接骨、整骨などを法(柔道整復師法やあはき法第1条/第12条)によりおこなうことはできません。

従来の整体とあんしん療法の違い

整体といっても、さまざまな整体の理論や手技手法、思想などがあり、統一されたものがありません。

明治時代や大正時代から整体という名前について記述しましたが、整体などでおこなわれる手技手法は、もともと2000年以上前の中国から伝わった「推拿(すいな)」が元だという説もあります。

推拿(すいな)は、鍼灸医術や漢方とならぶ中国三大医学の一つです。中国では、推拿(すいな)による施術は病院内で「推拿科」として設置されているところも多くあります。

推拿が日本人の手により工夫がおこなわれ、アメリカのカイロプラクティックやオステオパシーなどの理論や手技が加わって、日本独自の「整体」が生まれたという説が有力です。

現在では、さまざまな流派の整体が創始した整体師が自分の経験や独自の方法を加えて、さらに発展した整体が生まれています。

これらの整体の基本は、あくまで身体の骨格や骨格筋を矯正することです。また、それぞれの流派や整体師の経験や技術により、患者さんが得られる効果がまったくちがうのが整体です。

勉強熱心な整体師は、さまざまな整体の要素を取り入れて日々の施術にあたっています。

あんしん療法による施術は、整体でいうところの基本である身体の骨格や骨格筋を正すことと、なんら考え方自体は変わりません。

ただし、さまざまな流派の整体とあんしん療法を比べると大きな違いがわかります。

身体の骨格や骨格筋を正すということは「体幹の歪みを修整して筋肉の緊張を取る」ことと解釈できます。

そのためにおこなう手法が、それぞれの流派の整体技術により違ってきます。ある流派はボキボキしたりぐいぐいしたりする施術方法を普通におこなっています。

ある流派は、優しく安全な施術方法をおこなっています。ただし優しい施術であっても、身体の痛みや不快な症状が消えるとは限りません。それほど身体は繊細なものです。

あくまで身体に悪影響を与えず優しい施術をおこない、それでいて来院時と帰宅時の差が明らかであり、施術の回を追う毎に身体の状態が改善されて、身体が健康な状態に戻ることが重要です。

これらの要件に当てはまる「整体」は、日本でおこなわれている整体でも、ごく少数だと考えられます。

あんしん療法は、完全無痛の優しい施術であり、脳に働きかけて体幹の歪みや筋肉の緊張を取る「脳科学療法」です。

人間の身体が歪むには、さまざまな原因があります。例えば、日常的におこなわれる人それぞれの姿勢などです。

普段おこなわれる姿勢は人によりまったく違いますが、日常的に足を組んだり横座りをしたり、手枕や猫背などの姿勢をおこなうことが身体全体の歪みにつながります。

人々は、こうした悪い姿勢を毎日のように繰り返し無意識におこなっています。こうした姿勢をおこなってしまうのは、人間の脳に原因があります。

通常脳は、身体が歪む姿勢をとっても「良い悪いという判断」をしません。

常に同じ動作を繰り返しおこなっていると、その状態を脳が正しいと認識して記憶するようにできています。例えその姿勢が、身体に悪い姿勢だとしてもです。

毎日のように常に身体に悪い姿勢をおこなっていると、歪んだ姿勢が脳に正しいとインプットされ身体は毎日悪い姿勢をおこなうため、身体がどんどん歪んだ状態になります。

その結果、椎間板が圧迫されて神経を刺激して痛みが出たり、しびれなどの症状が生じたりします。

身体に歪みが生じて痛みが出れば、脳は身体を守るために患部を緊張させて、さらに患部に強い痛みを感じるようになります。

これらの症状を改善するには、根本的に脳の間違った記憶を変換させる必要があります。その方法が、あんしん療法による「間違った記憶を変換させる」脳科学療法です。

あんしん療法は、「正しく身体の歪みがない状態や身体が緊張している必要がない状態を脳に記憶」させる療法です。

脳に記憶された「身体が歪んでいる間違った記憶」を、完全無痛の優しいあんしん療法により、正しく正常な状態を再記憶(インプットさせる)させます。

すると、身体に歪みのない正しい背骨の状態である「緩やかなS字のカーブ」が脳に記憶されます。脳が背骨に歪みがないと判断すれば、患部を緊張させて身体を守る必要がありません。

脳は正しい身体の状態を理解すると、身体の緊張を一気に解くため、瞬時に身体の痛みはその場で消失します。

こうしたことがあんしん療法では可能なため、あんしん療法は「正しい身体の状態を脳に記憶(インプット)させて身体全体の連動性を取りもどす脳科学療法」だといえるのです。

身体全体に歪みや椎間板の潰れが生じると、腰や背中、首などに負担がかかり、さらには手足などの末端にも痛みやしびれなどの症状が生じます。

また、体幹の歪みがあると全身の痛みだけでなく、内臓にも悪影響を及ぼすようになります。

あんしん療法では、背骨に負担がかからないような姿勢や動作を取り戻すために、正しい背骨や骨盤に歪みのない状態や動きを脳に再認識させて記憶させます。

身体に歪みのない正しい状態を脳に記憶させて「身体全体の連動性を取り戻す」ことにより、身体全体の動きがスムーズになり、全身の痛みや不快な症状が改善されるのです。

脳科学療法であるあんしん療法により、間違っている脳の記憶の「内部表現変換」をおこなうことで身体の連動性を取り戻して、全身の関節の痛みや不快な症状がでないように、正常な状態を記憶させることが、身体を改善する上で大きなポイントになります。

まとめ

従来からおこなわれている整体と「あんしん療法」の違いは、身体を部分的にみるか全体的にみるかの違いと、脳科学に基づいて施術をおこなっているかどうかです。

多くの患者さんが、従来からおこなわれている整体やマッサージを受けて、「揉み返し」があったといわれて来院します。

身体はとても繊細で、ボキボキしたりぐいぐいしたりするマッサージや整体などの強い施術方法を受け入れません。

強いマッサージや無理な手技足技などの整体の施術により、体内の筋肉や毛細血管、筋膜宇、筋繊維などに損傷や炎症が起こるため、脳は身体を守るために筋肉を緊張させるため血行障害が起こります。

ひどくなると、マッサージや整体などを受けて、頭痛や吐き気などの症状が出る人もいます。

施術は、最低限「揉み返し」のような悪い症状が、身体に起こらないようにすることが重要です。

整体師の先生が「自分は無理なことはやっていない」と思っていても、痛みや不快な症状が生じている患者さんが揉み返しのような症状を感じれば、無理な施術をおこなっていたことになります。

こうしたことがあれば当然、法的な罪に問われても仕方のないことになります。

脳科学の分野では、さまざまな「痛みは記憶される」という研究が日々おこなわれています。

ある研究では、慢性痛経験者に手に痛みが出るビデオを見せると、実際に触れられているのと同じような苦痛を訴えるそうです。

ラットによる研究では、骨折していないラットの片足を2週間ギプス固定すると慢性痛を引き起こし、さらに体内のミクログリア細胞が活性化するという報告があります。

私たち人間のような高等生物の脳内には、自分が行動したときと他人が行動するのを見ている状態の両方の状態で、電位活動を発生させる「ミラーニューロン」という神経細胞があります。

ミラーニューロンの働きと痛みの関係の研究では、誰かが痛そうな状態を示していると、なぜか自分まで痛そうな状態になることがあります。

これは、ミラーニューロンの働きにより、痛そうな動画や写真を見たときに同じ脳の分野が活性化して痛みが共感するからだといわれています。

こうしたことからもわかるとおり、痛みは脳と深く関係していて、身体に無理な侵害があれば脳がさまざまな情報を感じ取り、痛みが身体に生じるようなシステムが体内にあるのです。

身体が痛むような無理なマッサージや整体を受ければ、当然身体に痛みが生じるのは当たり前のことです。

近年の医学界では、「痛み記憶」という概念が提唱されています。身体に何らかの障害を受けて痛みが生じたときには、痛みを脳の記憶の段階に至らせないことが重要だということです。

愛知医科大学の牛田先生は、「痛みは脳で最終的に認知しているので、痛みには心理的な要因が大なり小なり必ず関与している」といいます。

現代医学でも脳科学分野でも、身体に痛みが持続すれば神経機能が活性化して、神経過敏や神経シナプスが神経伝達物質を過剰に放出して脳が感知することがわかっています。

この脳に対する情報システムにより、脳へ痛みの伝達が増して痛みを感じるレベルの刺激でも身体は痛みを感じるようになります。

あんしん療法では、ボキボキしたりグイグイ押したりするような強い施術はまったくおこないません。

施術をおこなっている最中には、必ず患者さんに施術方法で痛みが生じるかどうか確認しながら施術を進めます。

あんしん療法による施術は、ほとんど痛みを感じませんが、もし痛みが生じると患者さんが感じたら同じ施術をおこないません。

こうしたことから、あんしん療法が完全無痛の施術方法だといえるのです。

もし強い刺激をおこなえば、必ず患者さんの身体に「揉み返し」のような症状が起こります。

これは、マッサージや整体でおこなわれる強い刺激に対してミラーニューロンが働くため、余計に痛みを感じてしまうからです。その作用で起きた状態が「揉み返し」なのです。

前述したとおり、あんしん療法は優しく完全無痛の施術方法により、心地良くおこなわれるとてもソフトな脳科学療法です。

実際にあんしん療法の施術を受けていると、何をしているかわからないくらいソフトで優しい施術なため、うとうと寝てしまう人もいるくらいです。

あんしん療法のような完全無痛の脳科学療法により、身体に正しい動きや姿勢を記憶させることで、正しく脳内のミラーニューロンが働きます。

その結果として、痛みのない身体の状態を脳が再認識し身体の連動性を取り戻して、痛みが起こらない姿勢や動きを記憶させることが可能になります。

あんしん療法は安全な施術をおこなうため、神経過敏で痛みの強い患者さんに対してもあんしんできます。

あんしん療法で、脳や身体に対して「適切な働きかけ」をおこない、痛みや不快な症状などの改善に期待が持てます。

「あんしん堂」では、なるべく本人の早い改善を目指し、早期復帰できるように脳や身体にアプローチさせていただきます。